非常識が非常識な結果を生み出す

NNNドキュメント'10 闘う!本屋のオヤジ
いま全国で年間400軒近い大型書店が開店している。その一方で、個人経営の本屋は毎年1000軒以上姿を消しているという。そんな中、地域に根付く「街の本屋」の役割を胸に、奮闘する人がいる。札幌の書店2代目・久住邦晴さん(57)は、父親から店を継いですぐにコンビニの出店ラッシュやネット書店の攻勢を受けて、廃業の危機に襲われた。そして家でも悲しい出来事が…。「なぜだ!?売れない文庫フェア」や「本屋オヤジのおせっかい!中学生はこれを読め!」コーナーの設置など、斬新なアイデアと行動力で闘い続ける久住さんの姿を通して、「街の本屋」が生き残るための課題や地域の人々との絆を浮き彫りにする 。
http://www.ntv.co.jp/document/

一時は廃業を考えた街の本屋さんのドキュメント。一つ目の“危機”は、地下鉄の延伸。それまで地下鉄の終着駅にあったため人通りも多かったわけですが、地下鉄の延伸によりバス路線も見直され、客足が減っていき、売り上げは毎年2割減。そしてそこへ襲いかかった息子の死・・・。再三が厳しく苦しいけれど、ここで閉店したら「息子が死んだから」と思われそれじゃ息子がかわいそう、と頑張ることに。
そこで始めたのは目の前の本を読むこと。1日10冊も読んだそうです。そのとき読んだビジネス書で出会ったのが「非常識が非常識な結果を生み出す」という言葉。そこからヒントを得たのが「売れない文庫フェア」。いい本なのに売れない本を売り出す・・・周囲は賛否両論だったけれど用意した1500冊足らずは1ヶ月で完売。他にも読み聞かせ朗読会を開いたり、中学生客を取り戻すために「中学生はこれを読め!」コーナーの設置など、取り組みは道内へ、そして全国へ広がります。
次に訪れた危機は、相次ぐコンビニや大型書店・古書店のオープンとネット書店の台頭。10万冊レベルを取りそろえる大型書店に比べ、くすみ書店は3万冊。店を開けてるだけで借金が増えてゆく。そこで店舗移転を決意。
以上のような内容でした。旧店舗最終営業日には閉店時間までたくさんのお客さんが訪れ、店の外へも溢れていました。まさに地域に愛されてる本屋さんって感じでした。大型書店は便利でたくさんの本がありますが、コクーンタワー地下にあるブックファースト新宿店(在庫90万冊)は迷路みたいでたまに出口を探すのに迷子になります・・・。目的の本が決まっている場合は、街の本屋さんのほうが便利です。

くすみ書房
http://www.kusumishobou.jp/